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シェムリアップ |
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受付で車をチャーターする話をしていましたら後ろから、「一緒に行きましょうか」と2人連れの女性の声。人数が増えれば車代をシェアできますし、何よりも心強い。それを伝えると運転手は苦い顔。「人が多いと車が傷むしガソリン代もかさむ(!?)」と割増を要求するのです。すったもんだの末、5ドル程アップの「両者傷み分け」で話はつきましたが、何だかすっきりしません。
前日の連れ込みバス、女性にべたつく従業員。長旅の疲れもあって、旅行者に対するカンボジア人のボッタクリ体質には「もう切れそう!」。今回に関しては金額の事ではなく「何人でも料金は同じ」との約束を平気で破る、その「取れるものなら取ってやろう」精神が嫌だったんです。
とは言っても翌朝には、気分を変えて和やかに出発。途中バンティアイ・スレイの横を通ったのですが、周囲には売店が建ち6年前とはかなり雰囲気が変わってます。その上、中央部分は立ち入り禁止だとか。遺跡保護のためとはいえ、あのデバータを間近で見られないのは寂しいですね。
と感慨に浸っている間にクーレン山入り口にやってきました。ここで20ドルの入山料(アンコール遺跡群とは別)を払うのですが、これは他の物価と比べても異常に高い。この時はミャンマー旅行の帰りに寄っていたので、「あのバガンですら10ドルだったのに」とつい比べてしまいました。
山道に入ると巨大な岩が目に付くようになりました。アンコール・ワットに使われた石材は、この山から切り出されたのだとか。それが素直に納得できるような風景が続き、だんだんと「王朝発祥の伝説的な場所に行くんだ」と言う高揚した気分になってきました。
やがて丘陵の上に出たのか道が平らになりました。川を渡った駐車場で車は止まり、後は例のように子供達が寄ってきて案内役。最初はこの涅槃仏"プリア・アントン"に連れて行ってくれましたが、見たいのは「川底に彫られた神々やリンガ」なのです。「どこにあるの?」。 |
「リンガ・ムイポアンは?」と聞いて、子供達が指差すほうに歩き出したら運転手が追いかけてきました。車に乗るように言われたのですが、気持ちの良い道だったので「そう遠くないはず」と歩き続けてしまいました。現地は先程渡った橋の上流。駐車場から1キロ以上ありますから車で橋まで戻り、小道を入って見学したほうが楽だったようです。
川底の岩盤に彫り込んだリンガ・ムイポアンの上を、すべるように流れる水は冷たく澄んでいます。両岸から木々が迫る狭い川なのですが、この浮き彫りがあるため神秘的な雰囲気が漂っています。いつかはここも柵で囲まれ、「立ち入り禁止」になるかもしれないと思いつつ、裸足で川に入ってじっくり見学してきました。 『ヴィシュヌが蓮池で眠っている間におへそからハスの茎が伸び、 先端に咲いた花の中からブラフマーが現れ、新しい世界を創造する』 このヒンドゥー神話を具現化したのが、この川底に彫られたビシュヌ神。宇宙を創造する神様の上を通った水が、聖水となって流れ下りアンコール王朝を潤し祝福していた。ナルホド、この山が聖地と呼ばれるわけが又一つ、判ったような気がしました。
川底でまどろむヴィシュヌ神 ああそれなのに、その環境たるや大いに俗化しています。"リンガ・ムイポアン"の1、2キロ下流になるのですが、広場になった川原には涼み小屋が建ち並び、まるで日本のキャンプ場。一般の川のように皆さんが水遊びしていまして、子供達も平気でこの彫刻の上をジャブジャブ歩いたりしている。「オイオイ君たち、それ神様なのよ」。恐れ多くてハラハラしてしまいました。 ヴィシュヌ神が彫られているのは、この釣り橋と滝の中間地点(両者の距離は数十mほど)ですから、どんな雰囲気の中に彼が眠っているか想像がつきますでしょう。
ホテルのオーナーがこの地を観光地にするため、私財を投げ打って道路を整備したそうですが(そのため入山料がベラボウに高い!?)、ただ人を呼べて現金が入ればそれで良いのでしょうか。神様が宇宙を創造する場所、なのですから神秘性だけは維持して欲しかったですね。 |
クーレン山でお昼を食べて、帰りにクバール・スピアンに寄りました。橋の手前が駐車場になっていて、ここからは自力で現地まで登らなければいけません。山道を40分ほど歩きますので、足ごしらえはしっかりと(ビーチサンダルではキツイ)、そして水分も忘れないようにね。
3時半には閉まる、クバール・スピアンのゲート
ナンディに乗ったシヴァ神と、手前はリンガ 乾季のため水はチョロチョロとしか流れていませんでしたが、シヴァ、ブラフマー、ビシュヌ、ラクシュミー、リンガ、この川の中に点在する彫刻群は、数、種類、彫りの細かさ、どれを取っても素晴らしい。この上を水がとうとうと流れる雨季に、もう一度来て見たいですね。 この写真だと斜めで判りにくいので、ポチェントン空港のレリーフを並べてみました。ではここでもう一度ヒンドゥー神話のおさらいです。 『ヴィシュヌが千の頭を持ったシェーシャー竜にもたれ、蓮池で眠っている間におへそからハスの茎が伸び、先端に咲いた花の中からブラフマーが現れ、新しい世界を創造する』。
これで念願だったクーレン山と、掘り出し物のクバール・スピアンを見学することができました。途中の東メボンで夕陽を眺め、充実した1日に感謝しながら帰路に着きました。大もめした車のチャーター料ですが、メモを紛失してしまい正確な数字(多分30〜40ドル)が思い出せません。どうか悪しからず。さあ、明日はプノンペンです。 |
トンレサップの朝日 プノンペンへは、スピード・ボート(25ドル、所要4〜5時間)で戻ることにしました。出発は朝7時ですが、船着場までは1時間弱かかるため、ピックアップが各ゲストハウスに客を拾いに来るのは夜明け前。ちょうどトンレサップ湖に差し掛かる頃、太陽が昇ってきます。 船は全席座席指定ですが、屋根の上の方が気分が良いので、出航時には多くの旅行者が屋根の上に乗っています。でも最初(トンレサップ湖を行く間)はかなりスピードを出しますので、風はまともに当たって体感温度も低く、上に居続けるには防寒対策が必要です。それのない人たちは次々に脱落して船内に戻っていく、まるで我慢大会に参加しているような数時間です。
川幅が狭まってくると船はスピードを落とします。特に乾季は水深が浅くなっているので超スロー。こうなると啓蟄の虫さん同様、何人かが又屋根の上に戻ってきます。ここからプノンペンまでは、両岸の景色を楽しんだり、読書やお昼寝したりして優雅に過ごせますよ。
日本橋と王宮の間に出来た新しい船着場 確か日本橋(プロジェクトXで有名?)の手前に着くはず、と下船の用意を始めましたがアララ、橋をくぐってしまいました。着いたところは数キロ下流の新船着場。土手を昇り降りして船に乗っていた頃と比べると、段違いの広さと小奇麗さです。ゲストハウスの客引きが大挙して出迎えに来ているのは変わりませんが、中心街にも近く随分と便利になったものです。 これで2003年編集のカンボジア編を終わります。途中苦情を書いたのは、あくまでも無法な観光従事者に対してです。人とお金が集まる観光地、特にシェムリアップでは様々なトラブルが続出しているようです。遺跡は素晴らしいのですが周辺で嫌な思いをしないよう、また犯罪に巻き込まれないよう、「イエス」「ノー」をはっきりと自己責任で旅行して下さい。 一般のクメールの人達はシャイで優しいので、皆さん安心してカンボジアにお出でください! |
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