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プノンペン近郊 |
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丘の上の三つの塔を望む だって、ドライバーは「私!?」なのですよ〜。クメール語が達者な知人が一緒とは言え、長距離の運転は初めてなので市街地ではドキドキもの。でもプノンペンを抜けると車が少なく、快適に5号線を北上、予定通り1時間半ほどで現地に到着。麓にはお休み処が何軒も建ち、ピクニックに来た人達で結構にぎわっています。ここで昼食の予約をして車を預け、後は徒歩で山登り。 稜線に出てみると、手前のピークに大きな建物跡、奥の山頂に数基の塔が見えています。近寄ってみますと、それはポルポト軍に破壊された寺院の跡。屋根と壁の大部分が吹き飛ばされ、残された柱の間に座す大仏も、大怪我したままの状態。痛々しくて、とてもカメラを向ける気にはなれませんでした。
帰路は、林の中の道を通って駐車場に直行、予約していた茶店でお昼ご飯を取りました。ここで用意してくれるのはご飯とスープ、おかず(焼き魚、揚げ物、漬物等など)は並んだ露店で買ってきます。茶店の女主人、私たちの姿を見るとやおら鶏を掴んで裏に行き・・・、スープと言っても絞めるところから始めるので時間がかかります。昼寝するなりおしゃべりするなりして待ちましょう。 |
「途中に見せたい場所があるんですよ」の言葉に興味津々、プノンペンまでの中間地点付近で右折し、のどかな田園地帯を西に向かって走ります。アンコール・ワットに似せた寺院が建っている、とのことですが行けども行けども姿が見えない。30分も走ったでしょうか、「アッ、あれじゃないですか!?」と知人の声。ウーンこれはまるでバイヨンの南大門、どうやらここに間違いないようです。
入り口はバイヨンの南大門風 外観はアンコール・ワットの中央祠堂、色調は赤褐色でバラ色砂岩を用いたバンテアイ・スレイと良く似ています。窓も連子になっていますし、アプサラ始め様々な浮き彫りが外壁を飾っています。まだ建てられたばかりで、ガラ〜ンとした大きなお堂の中は、まだ調度が整わず見るものはほとんどありませんが、ここはきっと外観を鑑賞するお寺なのだろうと納得。
アンコールワットは「クメールの心、カンボジアの宝」とは言え、庶民には高嶺の花。ここは外国人に見せるというより、カンボジアの人達にアンコール遺跡群のエッセンスを伝える、そんな目的で建てられたのかもしれません。でも実際に遺跡を見て来た目で見ると、バイヨン、アンコールワット、バンテアイ・スレイがミックスした、何とも不思議な気にさせられるお寺でした。 |
向こうに見えている山の上に遺跡があります 2週間後、今度は「プノン・チソーに行きましょう」と言うことになりました。11世紀に建てられたアンコール様式の寺院が、山の上に残っているんだそうです。プノンペンからは2号線を南下、1時間半ほど走って標識を左折しますと「オオッツ!」、正面にこの山が見えてきました。プノンペン周辺はほとんど標高差がない"まっ平ら"な大地なので、丘のような起伏でも感激してしまいます。 山頂までは整備された階段がのびていますが、かなりの長丁場。黙々と登っているとどこからきたのか子供達が、後になり先になりして稜線上の寺院跡まで連れて行ってくれました。崩れかけた塀を越えて中に入ると今度は遺跡守のような老人が現れ、地面に散乱した浮き彫りなどを指差しながら無言の案内役です。
最後に、かろうじて残っている小さなお堂に導かれました。ここで目にとまったのがお堂の入り口の木製のドア。浮き彫りされた人物は銀色に塗られ、その足元を見るとなんと豚(猪かな?)に乗っています! 何時の時代のものかわかりませんが、彼らがこのお堂(本尊)を警護していると思うと、何となくほのぼのとしてきました。
遺跡からの眺め ぐるっと遺跡を一巡りして反対側に出てみると、パーッと視界が開けキラキラ光る川の向こうまで豊かな田園風景が広がっていました。ここから遺跡を振り返って見ますと、「あらあら」こちらが正面ではないですか。11世紀に生きた人々は、下に見えている川の方面からこの寺院を見上げ、参拝に登ってきたんでしょうね。 |
本日の昼食は、プノンペンとの中間地点に位置するトンレ・バティで取ることにしました。ここはプノンペンからも近く(30キロほどですから1時間位)、カンボジアの人達が好きな水辺の行楽地とあって、日曜や祭日には家族連れや若者グループで賑わうそうです。私たちも湖に張り出した小屋を借りてお昼にしました。下に水があるので気分的にも涼しかったですよ。
湖に張り出して建てられた小屋が並ぶ この一区画を借りて、食べたり飲んだり昼寝したりして過ごします。 近くの木立の中にあの有名な寺院と同名の、タ・プロム寺院があります。12世紀に建立された4つの門と2つの経堂、そして中央祠堂を持つこの寺院、規模が小さいのがかえってありがたい。アンコール遺跡群はどれも巨大で、見て回るのにはガッツが入りますからね。
西門から中央祠堂方面を見る クメール語で"タ"は老人、"プロム"はヒンドゥー三神の一人ブラフマーのこと。彼は日本に渡ると、"梵天(ぼんてん)"として仏教の守護神になっています。蛇足ですが広辞苑に拠りますと梵天は『インド哲学における万有の原理プラフマン(梵)を神格化したもの』とありました。 中央祠堂の壁面には、デバータ、6つの腕を持つヴィシュヌ神、王と王妃、などの美しい浮き彫りが残されています。宝捜しのように見つけて歩いて下さい。境内ではないのですがここで見落とせないのは、入り口付近に何気なく置かれている"乳海攪拌"のレリーフです。
不老不死の妙薬「アムリタ」を得るための秘策を、 ヒンドゥー神話"乳海攪拌(にゅうかいかくはん)"から見てみましょう。 『ビシュヌ神が化身した大亀(中央下部)の背中に、引き抜いたマンダラ山を乗せて軸にし大蛇を巻きつける。向かって左、大蛇の顔サイドは鬼神アスラ、向かって右、尻尾側は神々が持って綱引きをし海をかき回す。乳状になった海の中から太陽と月(中央左右の円形の浮き彫り)、天女達(上部に一列に並ぶ)が次々に生まれ、最後に甘露「アムリタ」が出現した』。 |
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