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阿蘇の温泉


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滝つぼ温泉

 旅館の丹前を着て下駄をつっかけ、タオル片手に温泉巡り。これが黒川温泉の正しい楽しみ方、なのですが、2ヶ所入ったところでもう夕暮れ。宿への帰路、「風の舎」の灯りがまるで誘蛾灯のように人を誘って見えたので、パンフレットでももらおうと立ち寄りました。これが"滝つぼ温泉"〜"押戸ノ石"への入り口となったのですから、誘蛾灯に例えたらバチが当たりますね。

黒川温泉「風の舎」

黒川温泉の観光案内所「風の舎」
 コーヒーを飲んでいた先客3人に、「どちらから?」と問われて会話が始まり、装飾古墳と温泉の話ですっかり意気投合、勧められるままコーヒーにアイスまでご馳走に。お一人は九州の歴史にも詳しくかつ雄弁、閉店時間がきてもまだ話足りない。で、夕食後に彼らの宿までおしゃべりに行く約束をして別れました。

 それが黒川温泉から車で15分ほどの、滝つぼ温泉の民宿"さとごころ"。福岡で建築関係の仕事をしているという3人に、この民宿の若き経営者Sさんが加わり、宗像神や宇佐神宮の話から国内外の温泉談義まで、中身の濃いおしゃべりが続きます。その内誰かが「遺跡が好きだったら、あそこに連れていってあげたいね」

 「そうだね。見せたらこの人どんな反応示すだろう」と"あの石"の話題で4人が盛り上がり、なんと翌日連れて行ってくれることになりました。「ワォ!」、一体どんな"石"なんだろう。


 一瞬止まった血が、津波のような大きな力で瞬時に体中をかけ巡る。体温が急上昇して知らせる、心身共の臨戦状態は「アー生きている」という感じ。この高揚感を「ワクワクする」と言うのかもしれません。



"さとごころ"の滝つぼ温泉

 明日のこともあります。「もう遅いから」帰ると言うと、「せっかく来たんだから温泉に入って行かなきゃ」と車を出してくれました。民宿から5分ほど、着いたところがこの"滝つぼ温泉"。ライトアップされた滝を眺めながらの入浴です。冷えた体に染み入ってくるお湯に身をまかせ、瀬音に耳を傾けていると「ここは何処? 私は誰?」。

滝つぼ温泉

 翌朝、デジカメを持って再訪。この雰囲気、伊豆半島の大滝温泉と良く似ています。周囲には林間の露天風呂に山小屋風ロッジ、露天風呂付きバンガローなどが点在。それらを案内しながら、「この地で日本の温泉の可能性を試してみたい」という Sさん。応援してます、頑張ってね。



滝つぼ温泉峡の民宿「さとごころ」

TEL・FAX : 0967-44-0107
所在地 : 熊本県阿蘇郡南小国町満願寺5927

民宿1泊2食 : 1名税込み7,500円
温泉付コテージ(10名まで)1泊 : 4名まで1人5,000円 / 5名以上1人4,000円
他にも色々なタイプがあります

入浴のみ(10:00〜16:00) : 大人800円 / 子供400円


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押戸ノ石

 翌朝9時に集合して、約束の"あの石"へ。最初に停まったのは"われもこう"という風雅な名前のおそばやさん。どうやら"その石"は私有地(牧場?)の中にあるらしく、店のご主人と柵の出入り口の確認をしているようでした。お昼を食べに戻るからと、レンタカーをここに置かせてもらい、Sさんの車に乗り換えて、今度こそ「Let's go!」

 県道から牧場の柵を越え、お腹を摺りそうな道を走ることしばし、「あれだ、あれだ!」と指さす丘の上には、何やら黒っぽい物体がポツンと見えています。見えてはいても道なき道、で中々近づけない。やっとのことでその麓に辿り着き、はやる心を押さえながら山上まで歩きます。

 遠くに阿蘇の外輪山を見渡すこの台上の眺めの、なんと素晴らしいことか。瞬時に感じたのは「この場所なら神(天体)と交信できそう」ということ。南米はペルー、プーノ近郊のシュスタニ遺跡。標高4,000mの台地の上の、その遺跡に立った時「宇宙が近い」と感じましたが、"押戸ノ石"周辺にも似通った雰囲気が漂っています。


押戸ノ石
押戸ノ石

"押戸ノ石"石群

 "標高845mの丘陵上に「押戸ノ石」(おしとのいし)と言われる大小の石群があり、最大の物はピラミッド型をした高さ5.3m、周囲15.3mの巨岩。 伝説では、鬼達が夜な夜なこの山で、いしなご(お手玉)をして遊んだと言われていますが、人為的とも思われる石の配列から、太古の遺跡ではないかと推定されています。大岩には約4,000年前のシュメール文字が、ペトログラフ(岩刻文字)として刻まれ、他の石群とともに興味深い謎を秘めています。"    南小国町の解説版より



 「風の舎」から空飛ぶ絨毯に乗せられて、あれよあれよと言う間に"押戸ノ石"まで来てしまいました。予想もしていなかっただけに、今日のことは言葉では言い表せない"運命"であるかのように、ズシンと心に響きます。肝心の「大岩に刻まれたシュメールの古代文字」は認識できませんでしたが、この地に立てただけでも大きな収穫です。

 勿論これからシュメールとペトログラフのことを調べてみるつもりですが、この"石"を知ったことが「アー、ここに来るための布石だったのか」と思う日が、いつか来るような気がしてなりません。



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長湯温泉

 "押戸ノ石"と出会えた幸運と感激に夢見心地。"われもこう"に戻っても、「食欲がないから」と一度はおそばを断りました。でも、でもです。「お昼なんだから」と言われて注文したおそばの、何と美味だったことか ! この切り替えの早さが私の持ち味(?)。"押戸ノ石"さん、どうか悪く思わないでね。尚、このお店のお薦めは、クズキリがついた「そばセット」です。

 ここで皆さんと別れ、一路"長湯温泉"を目指します。つい最近のテレビで「日本一の炭酸泉」と紹介されてから、「いつか飲みに行こう」と心に決めていた温泉です。長湯経由で別府までかなりの距離。アーそれなのに、途中で道を間違えたらしく、予定以上に時間がかかった上、長湯地区に出ても目指す温泉がどちらにあるのかわからない。




御前湯

 最初"ドイツ温泉村"と書かれた方に行ってしまい、浴室に入ってから「あれ、これは違う」。後から入って来られた方に「他の共同浴場は?」と聞くと、「あちらは人が多くてね。ここの方が静かでいいの」と言いながら、"御前湯"の場所を教えてくれました。やれやれ、やっと"御前湯"が見つかりました。まずは写真を撮りがてら付近を散策。ドイツを意識しているのでしょうか、かなり風変わりな建物ですが、木造というのはいいですね。

御前湯

 この日の女湯は3階。中央に少し深めの円形浴槽、右手に炭酸ガス濃度が高い低温の浴槽。他に露天風呂・サウナなどの設備がありました。これだけの設備なら「2時間コース」を取りたいところですが、まだ"飲泉場"と"かに湯"も見に行かなくてはいけません。とすると入浴用の持ち時間はたったの30分。「今日は"押戸ノ石"を見られただけでも収穫だったんだから」と自分に言い聞かせ、泣く泣く「カラスの行水」で済ませてきました。



温泉療養文化会館 「御前湯」

入浴料 : 大人500円

TEL : 0974-64-1400
所在地 : 〒878-0402 直入町大字長湯7962-1


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かに湯と飲泉場

 長湯といえば"かに湯"。"かに湯"といえば長湯、というほど有名なこの露天風呂。誰に聞いても「河原に降りればすぐわかりますよ」。ナルホド行って納得、「本当に"かに"の形をしている!」。この露天風呂を挟むように川の両岸には、長生湯・天満湯など町営の公衆浴場や飲泉場があり、正に長湯温泉の核心部と言えそうです。

 ただ、脱衣所こそ橋の下(つまり人目を遮れる)にあるとはいえ、浴槽は道路のすぐ下だし向かいは旅館の窓がズラリ。肌寒い日だったせいか誰も入っていませんでしたが、これほど目立つと、ちょっと入る勇気が出ないですね。


かに湯

造形も楽しい"かに湯"
飲泉場

国民宿舎前の"飲泉場"

 「温泉は飲む新鮮野菜」というヨーロッパの「飲む文化」を踏襲したのが、長湯温泉のに点在する趣向を凝らした"飲泉場"。そして忘れてならないのが、持ち手がストロー状になった"飲泉カップ"の存在です。長湯に来ればどこでも入手できると思っていましたが、"ドイツ温泉村"にも"御前湯"にも売っていない。結局、"ドイツ温泉村"で教えてもらった大丸旅館で買うことができました。200ccほどの小カップで1000円。おしゃれなデザインなのでお土産にも向いていると思います。



直入町観光協会

TEL : 0974-75-3111
所在地 : 〒878-0402 直入町大字長湯


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竹瓦温泉

 大分で夕方の帰宅渋滞に巻き込まれ、別府到着は日没後になってしまいました。何ヶ所かの温泉に入るつもりでしたが、この時間では仕方がない。候補地の中から厳選して、今夜は砂風呂のある"竹瓦温泉"に行くことにしました。別府駅から海岸へ迷路のような商店街を抜けて行くと、唐破風の重厚な建物の前にでたので驚きました。「まあ !」。

竹瓦温泉

 入り口の券売所も中央の待合所もレトロで情緒があり、一般入浴料が60円というのも、「地域住民のお風呂」という感じで「いいな」。お目当ての砂湯は630円と高めの料金でしたが、ここまできたら入らなきゃ。

 ここは浴衣着用ではなく、タオル一つの裸での入浴(?)。威勢のよい砂かけお姐さんが「ここ」と指定した場所に横たわり、砂をかけてもらいましょう。多少でしたら「ひざの上は砂を多く」とか、「つま先は出したい」とかのわがままも聞いてもらえます。10分ほどしたら自力で這い出て砂を流し、一般浴室で体を洗ったり温まったりするシステム。建物だけでも一見の価値ありですから、一度お試しあれ。




入浴時間 : 6:30〜22:30(無休)

入浴料 : 砂湯630円 一般浴場60円

TEL : 0977-23-1585



別府湾の朝

別府湾の朝

 高台のかんぽの宿からは、別府湾方面が良く見渡せました。高崎山方面から太陽が上ってくるのが見えたので、朝御飯もそこそこに部屋に戻って撮影です。ちょっと雲が厚かったのですが、「オハヨーございまーす」。


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鉄輪温泉(鉱泥温泉)

 別府に泥湯は一ヶ所しかない、と思い込んでいましたが何ヶ所かあるようです。その中で玄人向き(?)の鉄輪温泉に入っていくことにしました。最初間違えて(駐車場は一緒)"坊主地獄"に行ってしまい「温泉の入り口はあちらですよ」。

 営業は朝8時から正午まで。先客は一人でしたが、すぐに常連さんと覚しき人達で賑やかになりました。「ここが一番効くよ」と、年に2回は湯治に来るという先客。「良く温まったら、泥をつけたまま上がって乾かし、又入るといいわ」「寒かったらあの小屋に入ってね」と皆さん親切に教えてくれます。最後に一言「擦っちゃ駄目よ」。

鉱泥温泉

 駄目と言われると試してみたいのが人情。「擦り込んだ方が効き目もあがるでは ?」と、隠れて体をこすったのが運の尽き。帰宅後に効果が出て、肌はヒリヒリと熱を持ち、心なしか顔が腫れているようにもみえる。治るまでの数日間「どうしよう」と不安でたまりませんでした。「神経痛にはここが一番」と皆さんが口を揃えるように、有効成分が強いので「入浴するだけ」で効果大なんですね。教訓、人の話は聞くものです。

 ヨシ、決めた。将来足腰が弱ったり神経痛になったら、この温泉か地獄温泉の"すずめの湯"。不治の病と診断されたら、秋田の玉川温泉に「行こう!」。




入浴時間 : 8:00〜12:00(年中無休)

入浴料 : 800円

TEL : 0977-66-0863


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ザボン湯

ザボン湯
 泥湯でおまけが付きました。入浴の四方山話の中で、「泊まっている旅館のお湯はこの辺では一番。今はザボン湯になっているから、あなた時間があるなら入って行きなさいな」

 時間はなかったのですが、こういう成り行きの場合「来る物拒まず」主義ですから、もちろん行ってきました"豊山荘"。光の差し込む明るい浴槽に、浮かべられたザボン達。持ち上げてみると、お湯に浸かった下半身がギュッと絞まって可愛らしい。

 (入浴料は250円)


 結局この"ザボン湯"が、ハプニング続きで充実していた九州旅行の仕上げとなりました。短期間だけれど長かった「装飾古墳」と「阿蘇の温泉巡り」の旅、収穫は熊本古墳館で磐井の君を身近に感じられたこと、白眉は何といっても南小国の"押戸ノ石"。では、また何処かでお会いしましょう。



フィナーレ羽田

 夕方の便で羽田に帰着。空港ビルへと向かうバスの正面には、空を真っ赤に染めながら沈む冬の太陽。その刺すような光が目を射た時、久々(日本での日常生活の中では珍しく)に太古の血が騒ぐような気がしてクラクラしました。朝日より夕陽に過激反応してしまうこの事実、我ながら、不思議です。

日没の羽田空港

 バスをおり、混雑した空港ビルの中を抜け屋上まで、何と長く時間がかかったことか ! 視線の向こうには太陽も、あの真っ赤な空も、古い記憶への入り口も、もうどこにもない。未練がましく「夕陽は ?」と、フェンスに寄る人に聞いてみる。「たった今沈みました。今日のはきれいでしたね」。予期した返事だったのに、急に寒さと空腹を感じてしまったのは「何故 ?」。


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