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装飾古墳


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王塚装飾古墳

 「装飾古墳 ???」とは何なのか、と興味津々で出かけた「装飾古墳の世界」展。入館早々、入り口付近に展示された色鮮やかな石室のレプリカに、「なんてきれいなんだろう!」と、一瞬呆然としたのは1993年11月、佐原市の国立歴史民俗学博物館でのことでした。その華麗な闇の世界にドップリ浸ってから、「いつか見に行きたい場所」の一つになっていました。今回やっと「チャンス到来!」。

道しるべ
JR博多駅から筑豊・笹栗線で約1時間

桂川駅で下車するとこの標識が

古代と未来をつなぐ「時」のテーマパーク

コダイム王塚まで導いてくれます


 行くと決まればお得意の、当時の解説書を引っ張り出して読んだり、図書館に通ったりと、一夜漬け風の「お勉強」。熊本の菊池川流域に"装飾古墳"が多く見られること、それらの情報を集めた県立古墳館が山鹿にあること、そして、例のレプリカが博多近郊の「王塚古墳」のものだ、ということなどがわかりました。実際に現地に立たないと、それ以上の情報には拒絶反応が出てしまう体質なので、兎に角、行くことにしましょう「王塚古墳へ!」



王塚装飾古墳館

 昭和9年(1934年)の発見と同時に始まった、「王塚」保存の歴史。個人の熱意が地域住民・行政へと波及し、壁画模写・雨漏り対策・環境整備、と地道な保存活動が続けられたそうです。その夢と努力が結実したのが、ここ"コダイム王塚"。中心施設"王塚装飾古墳館"は、実物の"王塚古墳"と向き合うように建っていて、ロビーからはなだらかなスロープを描く古墳の姿が良く見えます。

王塚装飾古墳館

 内部見学について : 石室を密閉する保存施設が完成した平成2年(1990年)から、春と秋の年2回、石室の公開が行われてます。といっても、石室の中に入れるわけではなく、観察室のガラス窓越しに内部をのぞく、ことになります。どちらも期間が短い(2日間だったかな?)ですから、詳細は古墳館にお問い合わせ下さい。



 万華鏡をイメージしたエントランス(タイムトンネル?)を通り抜けるとこの空間。中央には特別史跡(国宝にあたる)「王塚古墳のレプリカ」が鎮座し、それを取り巻くように当時の時代背景や色彩や文様などの解説があります。上記のような「装飾古墳の模型」も展示され、ここにくれば「装飾古墳」の概要が掴める、中々おしゃれな構成になっていました。

展示室
装飾古墳の模型一覧

古墳の名称
所 在 地
石人山
福岡県広川町
千金甲
熊本県熊本市
日 岡
福岡県吉井町
チブサン
熊本県山鹿市
竹 原
福岡県若宮町
虎 塚
茨城県ひたちなか市
高松塚
奈良県明日香村

 赤・青・緑・黄・白・黒の6色が、日本の装飾古墳の基本色。"王塚"の壁画に用いられているのは5色(青以外)。"高松塚古墳"を除くと、日本の古墳中最多の色を使っていることになるそうです。展示室には"王塚古墳"と"高松塚古墳"の色彩比較コーナーがあり、素材も同時に展示されているので、その違いが良く分かります。



 上記の5色、「もしかしたら五行の色 ?」かしら。"古代中国に生まれた陰陽五行説は、6〜7世紀に日本に伝えられた"となっていますから、"王塚古墳"の造営時期とも合います。関連資料はないのですが、宇宙をイメージさせる空間意識は、 石人・石馬文化を背景とした菊池川流域の 装飾古墳群とは、明らかに異なると思われます。だとすると、"王塚古墳"の被葬者とその取り巻きは、流行の最先端を行く文化集団 !

石室レプリカ

 特別展ではガラス越しでしたが、ここでは内部まで入っていけます。コダイム王国のシンボル"馬"が、生き生きと描かれた前室から玄室へと入っていくと、そこはまるでプラネタリウム。壁の上部から天井にかけて描かれた、無数の白い星に取り囲まれてしまいます。ダブルベッドになっている石床(写真中央奥)に寝るのは無理ですが、真ん中に座って天井の星空を眺めることはできます。



開館時間 : 9:00〜16:30
休館日 : 月曜日(祝日の場合その翌日)・年末年始

入館料 : 大人300円 中高生150円 小学生100円

TEL : 0948-65-2900
所在地 : 福岡県嘉穂郡桂川町寿命376



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福岡市博物館

 歴史が苦手でも、「福岡」というと連想されるのが「金印」、ではないでしょうか。それが展示されている"福岡市博物館"は、福岡ドームや福岡タワーがそびえる近未来的なシーサイドエリア、ももち地区にあります。最寄りの地下鉄駅西新駅からも、徒歩15分ほどかかりますから、歩くのが苦手な方はバス利用が便利かもしれません。

福岡市博物館

前池に姿を映す"福岡市博物館"、背後に見えているのが"福岡タワー"



 広い吹き抜けのロビーと階段室を持つ1階は、ミュージアム・ショップやコンピューターで情報の検索ができるサービスセンターなどがあり、ここだけでも楽しめそう。「稲作の始まり」で始まる常設展示室は2階。「奴国の形成と発展」から「奴国の対外交渉」へと続き「だんだん金印に近づいてきたぞ」。

金印のケース
 「奴国以後」コーナーの手前にあるのが、「金印」が収められたこのケース。これが地面から掘り出され、この場に展示されているのが奇跡に思えるほど小さく、金印を見るためにこの博物館に来た人でなければ、見落としてしまいそう。

 実際、ここを素通りしてしまう見学者が多いのが気になりました。もう少し目立つように展示を工夫した方が良いのではないでしょうかね? 皆々様、「金印」はこのケースに収められています。お見逃しなく。



 別室になっている部門別展示室の、「ハカタイキ/都会と田舎」という展示は面白かったですよ。ハカタイキをキーワードに、田舎人にとって都会とは何だったのかを探る企画。ポスター・着物・看板・明治博多風俗史を通して、

「きわめて物見遊山に近いニュアンスを持ち、
と同時に都会に行く時に着るヨソイキのことも指す」等と紹介し、

 ハカタイキとは、田舎の人が特別な着物を身にまとい、特別な意識を持って、博多で新しい情報に触れること、だったと結ばれていました。 ちなみに、男性用の「ハカタイキ」は:絣の長着に羽織、山高帽に雪駄履き(せったばき)。日ごろ身に付けるものではなかったので、この姿を見ると博多に行くことが誰にでもわかったそうです。



開館時間 : 9:30〜17:30(入館17:00まで)
休館日 : 月曜日(祝日の場合その翌日)・年末年始

入館料 : 大人200円 高・大生150円 小中学生100円

TEL : 092-845-5011
所在地 : 福岡市早良区百道浜3-1-1



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大宰府政庁跡

 「白村江の戦いで唐・新羅軍に敗れた百済・日本連合軍。本土侵攻を予想した朝廷は、非常事態に備え福岡にあった那の津の官家(みやけ)を大宰府に移したことから、大宰府政庁は始まったとされている」  パンフレットより

 自然地形を巧みに利用して山城・水城を築き、周辺地域を大きく取り込んだ要塞"大宰府羅城"。"太宰府"というと、菅原道真公を祀った天満宮が連想されますが、その前身"大宰府政庁"が、国防の最前線として誕生した瞬間でもありました。今でも人の胸を打つ防人の秀歌、その舞台となった場所でもあります。

大宰府政庁跡

姫を守る騎士のような、山の姿が印象的

 今も発掘調査が続けられている(昭和43年開始)"政庁跡"は、全域が史跡公園になっています。「北に玄武の山・東に青龍の流水・西に白虎の街道・南に朱雀の池や沢があること」という風水の立地条件に適った、宗教的な防衛都市"大宰府政庁"。礎石を並べ平面復元された遺構を、南門から回廊を通って正殿へ、"大君の遠の朝廷"と歌った万葉人を偲びながら、何度も何度も歩いてみました。

 風水説を参考にはしていないでしょうが、この"宗教的防衛都市"という言葉は、カンボジアアンコール・トムを連想させます。




大宰府展示館

大宰府展示館
 "政庁跡"の入り口東側には、地下遺構を覆って保存してある展示館があり、出土品などが展示されています。

 「大宰府の歴史」や「都府楼発掘」などのビデオを見ると、「背後に朝鮮式山城"大野城"、筑紫平野への開口部には大堤"水城"を築いた防衛都市」というのが良く理解できます。ただし、このビデオかなり画面が荒れていました。

 写真バックの木立は"政庁跡"東の丘、月山。ここに漏刻(水時計)が置かれていたと伝えられていて、最近その復元模型が西鉄の太宰府駅前に作られたそうです。次コーナーの写真を参照して下さい。


 大宰府という字を見て、「あれ字が違っている?」と疑問に感じた人いませんか(実は私もそうでした)。展示館の梅野さんにこの疑問をぶつけると、「歴史上の"大宰府政庁"関係は"大"を、現在の行政区関係(太宰府市・太宰府天満宮等など)は"太"を使っています」とのこと。



太宰府駅前の水時計

太宰府駅前の水時計

 生け花教則本風の「都督府建按詳図」を参考にしたという水時計。水をためる容器の形が花器のようで、"近江神宮時計博物館"の「初めて候時(とき)を打ち、鐘鼓を動かす。初めて漏刻を用ふ」とされた天智天皇の漏刻とは、かなり趣が異なります。さて、どちらがより実物に近いのでしょう。

 このコーナーの参考資料 : 九州歴史資料館発行「大宰府復元」




開館時間 : 9:00〜17:00(入館16:30まで)
休館日 : 月曜日・8月13日〜15日・12月28日〜1月4日

入館料 : 150円

TEL : 092-922-9524
所在地 : 太宰府観世音寺4-6-1



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九州歴史資料館

 "大宰府政庁跡"から梅の香漂う九州自然歩道を、戒壇院・観世音寺と寄り道しながら太宰府へと向かいます。受験時期とあってか、天満宮は人で溢れ、縁日のような賑わい。「東風吹かば・・・」の歌と、「道真公を慕って一夜で太宰府に飛んできた」、という伝説で有名な"とびうめ"の前も、写真撮影の人の群れです。

九州歴史資料館

 喧噪の天満宮を後に、一丘越えると"九州歴史資料館"。福岡県内の出土品を中心に、九州各地の歴史資料の調査研究をしている施設で、展示室は無料で見学できます。メモを取る人のペンの音だけが響く館内、観光客におもねっていない環境の中で、ゆったりとした気分で展示品に集中することができました。



大宰府南大門
 この資料館に来たのは、「中国の江南地方との交流を示す」といわれる、"壁(へき)"の破片が見たかったから。

 古墳の副葬品のコーナーに、玉製ドーナツ型の"壁"(薄緑色・半透明のCDの一部を想像して下さい)はありました。

 王侯が所有していたとされる"壁"ですが、日本での出土例が少なく研究が進んでいないのが現状らしく、解説が簡単すぎて物足りません。思わず破片に向かって、「あなたは誰 ? 何処から、誰に連れられて来たの ?」と語りかけてしまいました。

 CDのように音を出してくれたらいいのに。


 地元ゆえか、水城に使用された木樋、10分の1の縮尺で復元された南門など、"大宰府政庁跡"発掘調査の展示にも力を入れています。朝廷が威信をかけて造営した"大宰府政庁"の栄華の跡、復元の過程はこの模型前のテレビ(ビデオ)で見ることができます。



開館時間 : 9:30〜16:30(入館16:00まで)
休館日 : 月曜日(祝日の場合その翌日)・年末年始

入館料 : 無料

TEL : 092-923-0404
所在地 : 福岡県太宰府市石坂4-7-1



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吉野ヶ里遺跡

 最初に発掘された時には、魏志倭人伝に記された「邪馬台国では?」、と九州説論者が発言力を強めた吉野ヶ里遺跡。1999年、7年ぶりに来てみますとその周辺は、「道を間違えて工事現場に入ってきたのかしら?」とケゲンに思うほどの変わりよう。聞けば、『遺跡の保存と活用・レクリェーション環境の整備・地域振興の一翼を担う、等など』、7つの基本方針を柱にした、"国営吉野ヶ里歴史公園"整備工事の真っ最中なのだとか。

吉野ヶ里遺跡

 数年後には物見やぐらのある"環濠集落ゾーン"を中心に、『野営場・博物館・宿泊施設にレストランを備えた、総面積54ヘクタールの大公園(全国で5番目の国営公園)』になるんだそうです。4つに色分けされた「吉野ヶ里ゾーニング計画図」なるものを見ていると、何とはなく「切ない」。どうかあまり"つくり"すぎないで下さい。



出土品

展示品

復元された巴形銅器
展示品

ガラス製の管玉



吉野ヶ里遺跡展示室

吉野ヶ里遺跡展示室

 見学を終えて出てくると、中学校の校長をしていたという方が「北内郭には行かれましたか ?」と近寄って来ました。まだ工事中ですがと前置きして、「あそこは卑弥呼の館があった場所ですから見てらっしゃい」。その向こうに見える宮の森が「卑弥呼の墓だと、私は思うのですが、信仰の場ですから掘らせてくれないんですよ」と言葉が続きます。ここでそんなお話を聞いていると、卑弥呼が本当に「この地に住んでいた」ような錯覚に陥り、ちょとしたワープ感を味わってしまいました。



 と、このページを編集してから早6年。2005年10月、『吉野ヶ里遺跡は平成13年(2001年)4月に、「吉野ヶ里歴史公園」として開園しています。』と佐賀県教育庁文化課 吉野ヶ里遺跡担当者Nさんからメールをいただきました。早速歴史公園の公式サイト情報を追加いたしましたのでお知らせします。ご連絡ありがとうございました!

国営吉野ヶ里歴史公園、公式サイト



開園時間 : 09:00〜17:00(3月1日〜6月30日、9月1日〜11月30日)
09:00〜18:00(7月1日〜8月31日)、09:00〜16:30(12月1日〜2月末日)
休園日 : 12月31日、1月1日、1月の第3月曜日

利用料金 : 大人400円、小中学生80円(団体割引、年間パスポートあり)

問合せ先電話番号
吉野ヶ里公園管理センター : 0952-55-9333
佐賀県教育庁文化課吉野ケ里遺跡担当 : 0952−25−7233



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