ジョルダン国旗

ヨルダン(ジョルダン)


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Welcome to Jordan

 赤茶けた大地に密集した建物群が見えてきた時、アンデス山脈の中に クスコの街を見た時のような感慨がありました。飛行機がその上空をかすめ起伏のある(ちょうどモーグルのコースを上から見ているような)砂漠に接近した時には「不時着?」かと思ったほど飛行場は荒野の真っ只中。

 イスラム諸国は、女性一人の場合旅行しにくいので今まで敬遠していました。でも中東にはとても魅力的な遺跡が点在しているのです。 シリアパルミラレバノンバールベック、そしてここヨルダンにはペトラジェラシュ。「牛にひかれて善光寺」ならぬ「遺跡にひかれて中東へ」で、とうとう今回の旅を決意した次第です。



 その決意(?)のほどは、ガイドブックに従い中東旅行用に用意した3点セット。

 薬指用の指輪 : 既婚者はやや尊敬される?とか
 家族の写真 : 特に夫の写真は必携(未婚者は「人に借りて行きなさい!」ですって)
 ハイネック長袖の白いロングコート : 体の線を出さない。素肌は見せるな!




 これだけ準備し恐る恐る降り立ったヨルダンの空港で、まず目に飛び込んできたのが 「Welcome to Jordan」というシティ・バンクの看板。空港職員もタクシーの運転手さんも、「Welcome(ようこそ)」とサービス精神満点でやや拍子抜け。アンマンへのハイウェイを疾走すると、丁度沈みかけた大きな太陽まで「ようこそ」と言ってくれているようで「私この国、好きになりそう」



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アンマン

 7つの丘からなるという首都アンマンはどちらを向いても「 サントリーニ」、つまり丘の斜面ギッシリに家が建ち並んでいる光景がみられます。衛星放送受信用のアンテナを備えたビルも多く、「情報規制されていない国なんだ」と一安心。

ローマ劇場
ローマ劇場

 旧市街の散策は、まずキング・フセインモスクと噴水跡(ニンファエウム)、そして2つの博物館があるこのローマ劇場。

 写真中央に入り口が見えているのが、テントや実物大の人形・生活用品などを使ってベドウィンの生活を再現展示している「フォルクローレ博物館」。

 その反対側、劇場に向かって左側にはヨルダンの民族衣装や宝飾品などが展示されている「民族伝統博物館」があります。開館は両館とも9時からで、料金は共に1ディナール(約170円)。

 開館前に着いてしまったので、劇場の上段に座りこの景色をずーっと眺めていました。下方に見える列柱、道行く人々、そして右の丘の上にそびえるのがヘラクレス神殿。




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ヘラクレス神殿

 博物館を見学してからこの神殿を目指して丘を登りると、そこは発掘・修復の作業中のアンマン城跡。働いているのは男性ばかりで(女性の姿は見えません)一瞬ギクリとしましたが、ここでも「Welcome」ムードは変わらず、木陰で休んでいた作業員の方達からチャイをご馳走になってしまいました。

 ヘラクレス神殿への道を探して城跡を歩き回ったのですが、あれほど特徴的な柱が「ない!」。困り果ててチャイの現場に戻って尋ねると、指差した作業テントの真後ろに「ナーンダ」この柱が大きくそびえていました。

ヘラクレス神殿

 神殿といってもこの柱が残っているだけですが、周囲は有史以前(青銅器時代)からの遺構がゴロゴロ。アンマンの考古学博物館はこの神域の隣、展示品はそう多くはありませんでしたが館員は、「ここはちゃんと見なさいね」とでもいうように右奥の小展示室を指差します。そこにあったのは「死海文書」のコピー?(不勉強のため不明)。そういえばこの国は死海にも面しているんでした。



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ジェラシュ

 柱に取り囲まれた円形広場(フォーラム)が印象的なジェラシュ。見渡す限り遺構が点在し、歩くのがいやになるほどの広さです。南北2つの野外劇場、東西2つの浴場、そして戦車の競技場などからも、大規模なローマ都市であったことが偲ばれます。

フォーラム

ゼウス神殿から見下ろした広場(フォーラム)

 広場からは、かつて人々がそぞろ歩いたであろう800mに及ぶ列柱通りが、北に向かってのびています。この道を歩いていくと、石畳の所々に何やら気になる丸い石。説明文を読むとこれが今でいうマンホール、地下には下水溝が完備されていたといのですから驚きです。



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アレクサンダーのコイン

 列柱通りを右に入った所にある博物館に展示されていた「アレクサンダーのコイン」、特徴的なその横顔に思いがけない場所で友人に出会ったという気がしました。いつもなら見過ごすコインに目がいったのは、旅行前に図書館で読んだ本によるのです。

 シリア中部、 パルミラの滅亡に関して作者は「女王ゼノビアが、自分の肖像を刻印したコインを鋳造したことが時のローマ皇帝の怒りをかった」と説きます。刻印された肖像と、そのコインの流布の範囲が権力者の力の程度を表わすなら、「アレクサンダーのコイン」を通してヘレニズムの広がりを追ってみるのも面白そう。

 コインの誕生はBC7世紀、西アナトリアのリディア王国。それがギリシアにもたらされ、側面から(貨幣経済の浸透という形で)ポリス社会の解体を促がしていきます。ポリス国家とペルシアという大国の狭間で、辺境の地だった マケドニアが力を貯えたのは、そんな背景の中なのですから、「たかがコイン、されどコイン」です。

アルテミス神殿

アルテミス神殿

 それにしましても、どうして遺跡の物売りさん達は要所か日陰、腰掛けるのに丁度良い場所など、人が行きたがる場所に陣取っているのでしょう。ああいった人たちは苦手なので、姿を見ると無意識に迂回してしまい、肝心な場所を見落としたりすることがあるので困ります。



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ペトラ

 バラ色の古代都市、ペトラ。今回のヨルダンもここが見たくて来たようなもの。アンマンから平坦な砂漠の道を3時間、バスが岩山にさしかかる頃「モーゼの泉」という場所を通りました。「ドキッ!?」、十戒のモーゼが岩を杖で叩いて水を得たというあの場所なのでしょうか?この名を聞いただけで瞬時に、現代から古代へとタイムトラベルできるのですから旅はやめられない。一つ得した気分です。

 観光に2日はかけるつもりで躊躇なく「2日券(25JD 4200円ほど)」を購入、ペトラへの唯一の通路であるシク(岩の裂け目にできた細い道)へと急ぎます。



エル・ハズネ(宝物殿)

 ヨルダン最大の観光地だけあって、観光客が次から次へとこの狭い道へと吸い込まれて行きます。孫悟空がひょうたんに吸い込まれていくような不思議な光景。高さ100mという崖に挟まれたこの細道は歩くだけでも楽しく、皆ここでは童心に返ったような無邪気な表情をしていました。

エル・カズネ
 その細道を歩くこと約30分、雑談していた人々の声がやみ足が一斉に止まるのがここ、崖の隙間からエル・カズネが見えてくる場所であり瞬間です。

 この息を呑む一瞬を体験したくて皆ここまでやってくるんだな、と妙に納得してしまうほどの迫力。チャンスがあったら是非ご自分でも体験なさってみてください。ヨルダンは空港でもビザが取れますし、ここへはイスラエルからの1日ツアーもあるそうです。

 上部の壷の中には金や宝石が隠されている、と信じられていたことからエル・ハズネの別名は「宝物殿」。高さ43m、幅30mというBC1世紀のこの建物(?)、実は岩肌をくり貫いて(彫刻して)造ったというのですからスゴイ。


 この先道の周囲は広がりをみせ、ローマ劇場や列柱通りを抜けてレストハウスへとのびています。遺構もさることなが、ら注目していただきたいのは岩の色や形です。トルコのカッパドキアの洞窟住居のようにそのままでも住めそうなもの、ローズ・レッドのめのうのような縞模様の美しい岩など数多く、谷を見下ろす岩屋でのお昼寝タイムは最高でした。



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エド・ディル

 レストハウスで軽食をとっていると、隣のテーブルから声をかけられました。「エド・ディルに行くのならご一緒していいかしら?」。友人が疲れていて行きたくないというけれど一人では不安なので、と言ってきた彼女はベルギーからの一人旅。

 人を待たせているので「30分で登りましょう」と2人で急いだのですが、かなりの登りにやはりコースタイム通り1時間弱かかってしまいました。修道院と呼ばれるこの建造物、苦労して出かけるだけの価値はあります。静寂の空に浮かぶこの屋根の浮き彫り状のラインはハズネでは望めませんから。

エド・ディル

 帰り道はエジプト人、トルコ人と一緒になり、レストハウスからはアンマン在住カナダ人の彼女の友人が加わって、国際色豊かな6人組みで帰路につきました。ペトラからは「死海」に行くつもりでしたが、長い道のりをおしゃべり(もっぱら聞き役でしたが)しながら歩いていくうちに「ワディ・ラム」への1日ツアーに誘われ心が動きました。

 2日券を買っているので明日もここに来るつもりでしたが、「私もワディ・ラムに行きます!」




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