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レバノン |
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シリアのホムスからサービス・タクシーでレバノン入りする予定が、手にしたのはバスのチケット(言葉が通じないと時々こんなこともあります)。このバス、乗った途端に回れ右して降りたくなりました。乗客全員が男性で、しかもその視線が一斉に注がれたのですもの、間違えて男性専用車に乗ってしまったのかと思ったのです。
でもバスにその区別があるわけではないらしく、皆さん紳士的だったので一安心。国境越えも(人数が多いので時間かかった以外は)入国カードに記入するだけと簡単ですし、ヨルダンとは違い出国税も無し。ただレバノン国内に入ると装甲車が配備されていたり、簡易検問所が何ヶ所も設けられたりしていて、ここが数年前まで内戦状態であったことを実感させられました。
夜、地鳴りのような音に思わずベランダへ飛び出してみると、兵舎にでも帰るのでしょうか、装甲車が列をなしてこの道路を走って行くところです。装甲車が走るのを見るのも、その音を聞くのも考えてみれば初めてのこと。平和な日本を思うと、とても複雑な気持ちになりました。 |
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レバノンの国旗にもなっているレバノン杉。栄華を誇ったソロモン王が神殿を建てる時この杉を所望した、という話が残っているほど古い歴史を持っている木です。かつては国土を覆いつくしていたというこの巨木、丈夫で腐りにくいことから古代には(BC3000年頃〜)エジプトとの重要な交易品になっていました。
エジプトというと頭に浮かぶピラミッドとミイラ、この双方ともレバノン杉なしでは有り得なかったほど両者は密接な関わりを持っています。神聖視されてもいたこの大木は、神殿や宮殿、造船、お墓、住居などに用いられ、特にその殺菌効果の高い樹脂は船の防水やミイラ作りには欠かせないものだったようです。用途が多く富を産むこの杉、近世まで乱開発が続き今では標高2,000mのこの地に残る1,000本余り。
レバノン杉保護地域・右手の建物が入り口 瀕死の状態だったレバノン杉を生き返らせたのは日本の「木のお医者さん」達。おかげで保護地域内には遊歩道が作られ、樹齢1,200〜2,000年と言われるレバノン杉を間近に見ることができます。この仙人のような風格の木の周囲は空気まで違う。霊気とでもいうのでしょうか、爽やかな力が体に満ちてくる気がしました。お金をばらまいてヒンシュクを買うのではなく、こういう形の国際協力は同胞としてもうれしいことです。 後日 下北半島の博物館で青森ヒバの話を聞いた時、「レバノン杉みたい」とその類似性に驚きました。木を切り続けた国々と切ったら植えるを身上としてきた日本、気候の差は致し方ないとしてもエーゲ海・地中海沿岸にある砂漠化した遺跡を見るにつけ、先人がしてきてくれた努力に頭が下がります。その文化を持つ私たちです。列島改造という名の環境破壊や干潟の埋め立てなど、もう一度見直して欲しいですね。 |
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その1 : ビザ申請に行ったヨルダン大使館の上階にレバノン大使館があった。 その2 : レバノンには 「世界最大級の列柱」 を持つ 「バールベック」 がある。
これにつきます。要はバールベックが見たくて(つまりそれ以外何も知らずに)レバノンに来たのです。 何はともあれ 「"バールベック"へ!」
レバノン東部(ベイルートから85キロ)、ベカー高原は地中海とシリア、北パレスチナを結ぶ交易路の要。古代から信仰の対象であったこの土地の最高神 「バール(ベール)」はギリシア文化の波及で太陽神と同一視され、ローマへと引き継がれていきます。
ジュピター神殿はこの遺跡の中でも一段と高い基壇の上に建てられているため、バッカス神殿側から見ると文字どおり「天を仰ぐ」ほど高く見えるのですが、この時は夕方とあってこの角度は逆光。やむなく反対側から撮りました。(下に見えているのがバッカス神殿) |
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アテネのパルテノンを凌ぐ大きさというこの神殿の正面玄関には、
パルミラにある「ベル神殿」(シリア)の流れをくむ、という装飾がほどこされています(この写真の反対側)。
内戦前、毎年祭典が催されていたというのはその正面玄関広場だそうで、「カラヤンが来て、ボリショイ・バレー団が来て、そう日本からも有名なバレー団が来てたよ。ジョーン・バエズの歌声も良かったな・・・」。早くまたあの感激を味わいたい、とジェスチャー入りで熱っぽく語ってくれたのは地元の自称考古学者氏。彼は柱廊天井のみごとな彫刻に関してもコメントしてくれました。
「他の浮き彫りもこの2人?」と聞くと「古代の有名人達さ」とのこと。「どうやって載せたんだろう」と思うほど高い所にあって、彫刻まで気が回りませんでしたが、解説がつくと急に身近に感じられます。興味を惹かれた方、ここへは望遠レンズか双眼鏡を持って来た方が良いですよ。そしてじっくり観察してみて下さい。 |
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バールベックのオープン・タイムは 08:00〜18:30。閉門時間が近づいたので後ろ髪を惹かれる思いで「夕陽を撮りたかったんだけど残念だわ」、と帰ろうとすると「大丈夫。この門はいつでも開いているよ」と裏門を指差します。最初は言っている意味が分からなかったのですが、どうやら有料入場時間以外は無料開放されている、らしいのです。
そういえば先ほどまで人影もなかった遺跡内には、「夕涼みに来た」という雰囲気の家族連れが何組も歩いています。それではと「クレオパトラ」の横に座り込み、じっくり空の移ろいを楽しむことにしました。
夕暮れのバールベック |
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