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メキシコ |
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今回は準備期間がほとんどなかったので、目的地に向かう飛行機の中がかっこうの書斎です。いつもならこれで、自分の行きたい場所が絞り込めてくるのですが、さすが遺跡の宝庫。ガイドブックの記述は漠然とし、どう見て回ったら良いのか掴みきれません。
そこでバンクーバーでのトランジットの間に、メキシコ慣れしていそうな人に声をかけて情報集めです。機内に戻るとその内のお一人が、「隣席にペンション・アミーゴに行くという人たちがいるから話を聞いてみたら」と教えてくれました。これで本日の宿は決まりました。ええ、ペンション・アミーゴです。
ドミトリーで1泊30ペソ(3.7$)。頻繁に断水になってトイレとシャワーに不自由はしたものの食堂(写真正面)でのダベリングは楽しかった。ここでは主にキューバ情報を仕入れました(というより遺跡に興味がある方がいなかったのです)。「翌週ローマ法王が初めてキューバを訪れる」という時で「チケットはないし、ホテルも値上がりしている」とか。結局彼が帰国するまではキューバに渡れそうにありません。 |
世界有数の規模と内容を誇るこの博物館はシティの西端、市民のオアシス"チャプルテペック公園"の一角にあります。入り口を入りますと絶えず水を降らせている巨大な円柱の出迎えにビックリ。
博物館中庭の噴水 野生のトウモロコシを数千年もかけて品種改良し、その上に数々の文明を育んだ古代メキシコの人々。展示室を一巡して改めてこの噴水を見る時、ひたすら「水」を待ち望んだ彼らの願いを実感できます。強い陽射しと歩き疲れた体に水飛沫が心地良い。この噴水は現代人にとっても「慈雨」と言えるのかもしれません。 話には聞いていたもののこの博物館、予想以上に「広い」。最初の展示室からシッカリ見ていましたら、博物館中央、扇の要に位置する第7室「メシカ・アステカ」の頃にはもうグッタリです。この部屋の中央にドンとおさまっているのが直径3.6mはあろうかというこの「太陽の石」。アステカ・カレンダーとも呼ばれているこの石は暦というより、アステカ人の宇宙観・世界観を文様化したものでこの博物館の秘宝ともいえる存在です。
太陽の石 中央は爪のある両手をのばして人間の心臓を掴んでいる太陽神「トナティウ」。5度目の生まれ変わりという彼を長生きさせるためには「人間の血を流されなければならない」と信じられていました。「もっと心臓と血をくれ!」と言うかのようにベロンと出された(ナイフの形をした)舌、そのメッセージの前には「絶句」しかありません。でも、目をそらせたくても見ずにはいられないような力が、確かにこの「太陽の石」にはありました。 |
第9室 「メキシコ湾岸」。この部屋で初めて実物のオルメカ・ヘッドに対面しました。この巨石人頭石の存在は知っていましたが、それを産み出したオルメカ文化が紀元前に栄えたもので、その後のメキシコ古代文明の母体になったとは今まで知りませんでした。
もう一つ「メキシコ湾岸」室で忘れられないほど印象的だったのが、泣く子供という小石像。ジャガーを神として崇めていたというこの地方において、人間の女性とジャガーの間に生まれたというこの赤ちゃんはオルメカ王家の始祖なのかもしれません。ジャガー信仰は後の文明に連綿と引き継がれていくのですから、これらの小さな大展示品は見落とせません。 |
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「蛇をくわえた鷲がサボテンにとまった場所」に都を築け、という神託に従って14世紀のメキシコ中央高原一体を支配するにいたったのが「アステカ帝国」。建国伝説のその図柄は現在のメキシコ国旗になっています。
神々の犠牲によって創造された現世の太陽、それを維持するためには人間の血を捧げ続けるしかない。という世界観・宇宙観を持っていた彼らの生け贄の儀式(生きた心臓を太陽にささげる)は16世紀の始めにスペイン人コルテスに征服されるまで続きます。
テンプロ・マヨールとカテドラル メキシコ・シティの中心ソカロとカテドラル。その裏手からヒョンなことから発掘され日の目を見たのがアステカ遺跡の一部、儀式が行われていたという大神殿テンプロ・マヨールの基底部分なのです。この遺構を歩くと生け贄の心臓が置かれたという極彩色のチャック・モールが生々しく目に飛び来んできました。 メキシコの博物館はどこも建物や展示方法に工夫が感じられて見やすかったのですが、特にこの博物館はなかなかの物。玄関正面の巨大なテノチティトランの模型は、それを取り囲むように配置された展示室を見ながら登るうちに俯瞰できる、という立体的な構成は流石です。
チャック・モール像が置かれた最上階の一角には照明を落したこんなコーナー。薄いガラス板を積み重ねた噴水の、神秘的な青い光を見詰めていると心が遠い過去の世界に運ばれるようでした。 |
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