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ミャンマー


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カロー

 インレー観光後はマンダレーに直行するつもりでしたが、一緒にボートに乗ったジョージの「静かでリラックスできた」「マッサージも良かったよ」の言葉に、カローに寄ってみる気になりました。こんな訳ですからまず最初に、郵便局の向かいにあるマサージ店に行ってみました。土間の奥に三畳ほどの台があり、周囲をカーテンで仕切るとそこが施術室。マッサージをしてくれたのは、ガッシリした体躯におだやかな微笑を浮かべたパオ族のSさん。

 周囲に人気がなくなるのを待って彼は、ささやくような小声でアウン・サン・スー・チーさんの名を出し自分達のことを話し始めました。タブーだと思っていた彼女の名を聞いたのは、三週間のミャンマー旅行中これが最初で最後。ちょっと驚きましたが、話の内容はそれをはるかに上回るものでした。

カロー

標高1300mの盆地に広がるトレッキング基地の町KALAW



 仲間がタイ国境の山岳地帯で戦っていること、自分も戦闘で指を失ったこと、政府は戦い取った土地への道路整備を無料奉仕でさせ、順次観光客向けに開放していること・・・、仕切りと言ってもカーテン一枚、土間には人が行き来する中で途切れ途切れに語られる彼らの実態は、話半分としてもショッキングな内容。スー・チーさんの「皆さんの訪問は軍事政権を承認し、経済的後押しをすることになるのでミャンマーには来ないで」という発言が、急に真実味を帯びて迫ってきました。

 もぎ取るように空港で両替させられた200ドルが政府の収入になり、少数民族を迫害する軍隊の力を強めている。旅行に来ている自分達の存在が政府を後押ししているなんて・・・、何とも複雑な気持ちです。「今のままでは自分達に未来はない。世界の人に少しでもこの実態を知って欲しい」というSさんの重い言葉に対し、私に出来るのは見聞きしてきたことを皆さんに伝えるだけ。ミャンマーに興味を持つ方が一人でも増えてくれますよう、5月のスー・チーさんの開放で民主化が進み、彼らが戦わなくても良くなりますよう祈ります。



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洞窟寺院

  カローはトレッキング基地として有名ですが、町自体には取り立てて見るところもありません。「・・を見なくっちゃ」と気が急くこともなく、滞在自体を楽しめる場所もまた有難いものですが、少しは観光もしたいもの。翌日はトレッキングに代わって、町の二大観光地"竹の仏像"と"洞窟寺院"を徒歩で見て回ることにしました。

ビリヤード?

コイン大のコマには数字が付いていて、
それを順番に弾いて相手のコマに当て、四隅の穴に落として遊んでいました。

 町の中心の市場から大通りをしばらく歩き、右手の丘の上へと登って行きますと・・・、道端でゲームに興じる子供達がいました。麻雀台サイズの台の上でコマを弾いて遊ぶ、おはじきとビリヤードをミックスしたようなゲームで、見ていると中々面白そう。これ、欲しいな。



 ゲームに心引かれながら尚も進み、お寺への標識を右折すると最後は長〜い階段が待っていました。でも、丘の頂上には傷んだお堂があるだけ。「エッ、ここ!?」と一瞬絶句してしまいましたが・・・、ご安心を。竹仏が祀ってあるのはその奥の、やや下がった所にある建物の中でした。座高2.5m、竹で出来ているという仏様ですが、表面には金箔が貼られているので外見的には金銅仏と変わりません。

 尼さんが見せてくれた写真を見ますと、7人のお坊さんが軽々と持ち上げていますので、竹製だということは間違いないのでしょう。ここは入場料を取られなかったので、拝観記念にその写真を200チャットで購入、お布施とさせてもらいました。

洞窟寺院

境内に立ち並ぶ仏塔群
背後の岩山内部が"洞窟寺院"
陰刻の仏像

陰刻された仏様

 洞窟寺院と言いますとピンダヤが有名ですが、ここカローにも小規模ながら洞窟寺院がありました。竹仏の寺から歩くこと30分、一山越えて来るとこのパゴダ群が見えてきます。境内に立ち並ぶ仏塔の数々は微妙に異なり、中でも白眉はある仏塔に刻まれた陰刻の仏様。どの角度から見ても視線が追ってくるのだとか。お顔もとてもチャーミングですので、時間があったら探して試してみてね。



 洞窟内部の入り口付近はタイル張りの床で、照明もついていますが、奥に入ると明かりもなく通路も自然のままです。小石混じりの湿った地面を裸足で歩くのに最初は抵抗がありましたが、「郷に入っては郷に従え」。ここはミャンマーなのですからそれを楽しんでしまいましょう。

洞窟寺院内部

仏像がぎっしりと並んだ、洞窟寺院内部

 一応ライトは持参しましたが、お寺の方が懐中電灯を照らしながら「ここにも仏像が、ここには化石があります」とジェスチャーで指差し教えてくれます。本洞窟だけでなくお隣の小さな洞窟、周辺の仏塔群まで案内してくれました。上述の陰刻の仏様を教えてくれたのもその人なんですよ。ここも竹仏寺同様で入場料は取ってないので、帰りに薄謝を置かせてもらいましたが、そのうち拝観料を取るようになってしまうかもしれませんね。


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ピンダヤ

 3日目、タクシーをチャーター(8000チャット、約1500円)して、50キロ離れたピンダヤへと向かいます。しばらく車はインレー湖への見慣れた山道を走るのですが、ピンダヤ方面へ曲がると同時に、山が迫り狭かった視界が急に開けて風景が一変しました。

ピンダヤへの道

ピンダヤへの道

 見渡す限り続く女体を思わせ丘陵。その柔肌に点在する樹木と、区分けされた穀物達が織り成すパッチワーク模様は、「どこかで見たことがある」懐かしさ。そう、北海道美瑛の風景にちょっと似ているのです。道中の景色が良いとは小耳に挟んでいましたが、ナルホドね。



 カローから1時間、ピンダヤの町を見下ろす地点までやってきました。眼下にはピンダヤ湖を中心に広がる町並み。そして正面には、屏風のように聳える岩山と、それに張り付くように延びた建物群です。これは期待できそう、と心がはやります。

洞窟寺院入り口

洞窟寺院入り口は、近代的なエレベーター

 下から歩くのかと思っていましたが、駐車場はエレベーターの近くでしたので、車で行った場合歩くのはわずかです。ピンダヤの大蜘蛛退治の伝説のレリーフの横を通り、土産店のお兄さんたちが編物をしている様子を見たりしながら、無料のエレベーターで入り口まで上がります。入洞料は3ドルで、もちろんFECでも支払えました。



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寺院内部

 ここは昨日見てきたカローの洞窟と比べ、格段に大きく設備も立派です。入り口からも天井に届きそうな巨大なパゴダが人を圧するように見えていましたが、内部に入って二度ビックリ。そのパゴダを中心に、洞内を埋め尽くすかのような仏像の数々は、正に壮観の一言。それを縫うように付けられた通路は、まるで仏像の迷路です。

洞窟内部のパゴダ

入り口付近にある巨大なパゴダ
五頭の像の椅子

五頭の像の椅子

周囲に次々と奉納の仏像が置かれ、
隠された状態になっていた"像の椅子"です


 ガイドブックを片手に、所々にある名札を頼りに見学です。隠者の洞窟、汗をかく仏像、石の太鼓などは判りやすかったのですが、一番探すのに苦労したのがこの"五頭の像の椅子"。周囲にぎっしり仏像が置かれてしまっていて、通路からはほとんど見えません。やっと見つけたのですが、手をのばしてこの写真を撮るのが限界。五頭の象さん、総てを見ることはできませんでした。



 寺院の地図に後2つの洞窟寺院が記されていたので、斜面に蛇のように続くこの参道を辿ってみました。第2洞窟を過ぎると参道は途切れ、何時の間にか山道に入り込んでいました。それでも「もう一つ洞窟があるはず」と汗だくで歩いていくこと20分、どうにか第3の洞窟に到着したのですが・・・、「エーッ、閉まっているじゃない」。"骨折り損のくたびれ儲け"の1時間になってしまいましたが、道中の景色は「最高!」でした。

寺院からピンダヤ方面の眺め

第2洞窟への参道とピンダヤ湖方面の眺め

 これで戻るのかと思いましたら、車は洞窟寺院の直下にある傘作り工房の前で止まりました。そういえば「ピンダヤ特産の傘」とガイドブックに出ていましたっけ。ここでは傘に張る紙作りから始まって、本体の部品作り、組み立て作業と順に見せてくれました。見て驚いたのがその簡素な道具類、特に竹と縄を組み合わせて自作された轆轤(ろくろ)です。

 物を作ろうと思う時道具が揃わないと、「・・がないから出来ない」と諦めてしまいますが、工夫すればかなりのことが出来るんですね。ミャンマーの方々の生活ぶりには「見習わなければ」、と感心することが多かったのですが、ここもその一つ。良いものを見せてもらったお礼に、お坊さん用の褐色の傘(1000チャット、200円弱)を買わせてもらいました。



  翌日マンダレーに移動したのですが、待っても待ってもバスがこなくてヤキモキしてしまいました。結局この時は1時間遅れて乗車しましたが、カローは各方面からの通過地点に当たるため、出発時間は目安でしかないのです。インレー湖とカローの両方を訪問予定の方、最初はカローにした方が良さそうです。カローからピンダヤ経由(タクシーかトレッキング)でインレー湖に入れますし、何より次の移動に始発(タウンジー)から大型バスに乗ることが出来ますからね。詳細は、主要観光地間の位置関係と距離をまとめた距離マップを参考にして下さい。


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